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前胸部ケロイド (重症例)
熱傷後の広範囲重症のケロイドの患者さんです。総合病院の形成外科で軟膏処方のみで経過観察されていました。 拘縮(ひきつれ)が酷いので背筋を伸ばすことができず、成長にも深刻な影響を及ぼしてしまいます。 •連続Z形成術 • 5-flap を組み合わせて手術デザインを工夫し、ひきつれを解除しました。さすがに皮弁だけで皮膚の欠損はカバーし切らなかったので、側胸部から取った小さな植皮を追加しています。 術後、ひきつれ(拘縮)が再発しないために接着スプリントによる圧迫とコルセットによる固定を3ヶ月以上行いました。これは後療法と言って、結果の半分を決めるほど大切なことです。 手術時は5歳児だった患者さんはもう小学生高学年になりました。今のところ背筋をピンと伸ばしてもひきつれることはなく経過しています。 このように重症の火傷によるケロイドも適切なデザインによる形成外科手術と丁寧な後療法でここまで改善することができます。 ケロイドや傷痕治療は後療法が3ヶ月続くので、一緒に山を登る気持ちで励ましながら治療にあたっています。良く頑張ってくれた患者さんに拍手です!