何度も施術している患者様でもよく聞かれる質問が「ボトックスとヒアルロン酸の違い」です。どちらもシワの治療として使われる注入剤なので何が違うのかわかりにくいですよね?簡単に言うと、ボトックスで治療できるのは「表情筋によってできるシワ」で、ヒアルロン酸は「表情を作ってない時でもできるシワや凹み」になります。
実は、ボトックスとヒアルロン酸は「シワに作用する仕組み」に大きな違いがあるんです。もちろん、医師にご自分のシワにはどちらの方法が向いているのか見極めてもらうことが重要ですが、違いについて少し詳しく説明しようと思います。
目次
・ボトックス注射ってなに?
ー ボトックスが効果的なシワ
・ヒアルロン酸注射ってなに?
ー メリット
ー デメリット
ー ヒアルロン酸が効果的なシワ
・まとめ
目次
・ボトックス注射ってなに?
ボトックス注射は、ボツリヌス菌から作られるタンパク質が、筋肉に分布している神経の働きをブロックする作用を利用した治療です。顔面痙攣など筋肉の過剰な収縮を止めるお薬として40年以上の歴史があります。この作用を美容に応用しているわけです。神経と筋肉のスイッチ部分(シナプスといいます)にのみ作用し、血管内に謝って注入したとしても問題はないため副作用の少ない比較的安全な治療と言えます。効果の持続は約6ヶ月です。
そもそも「ボトックス」という名称は、米国アラガン社のもつ登録商標なので、ボトックスと呼べるのはアラガン社の製品のみになります。アラガン社のボトックスは、有名なだけでなく輸送や保管時の温度管理や衛生面などが優れているため、日本の厚労省が唯一承認している製剤です。当院ではこのアラガン社の正規品BOTOXを取り扱っております。他にジェネリックとしてニューロノックス(韓国製)という製剤も取り扱っています。
・ボトックスが効果的なシワや部位
ボトックス注射は、筋肉の動きを抑制するので、「表情筋によってできるシワ」(眉間・前額・目尻など)に効果的です。
ボトックスが有効なシワ
・眉間
・目尻
・前額部(ひたいの横シワ)
・口唇の縦シワ
・ボトックスの他の使い方
①エラボトックス:過剰な筋肉肥大を抑えることができる「切らない小顔施術」として、エラが張っている方におすすめしております。小顔になるだけでなく咬筋の力が弱まるので奥歯の負担が軽くなり、歯軋りや食いしばりも改善します。院長自身の顎関節症も改善しました!咬筋はとても強い筋肉なので、それを弱めるだけで肩こりが軽くなる方もいらっしゃいます。咬筋の強さには個人差があり、それに比例してボトックスの持続期間も異なります。
②多汗症治療:ワキの汗が気になる方には特にオススメです。皮内に細かく注入するだけで腋の汗がピタッと止まり非常に快適になります。多汗症の場合7〜8ヶ月持続するので年一回注入するだけでワキ汗とサヨナラできます。
③マイクロボトックス:お顔全体や特にフェイスラインなどに細かく極々少量のボトックスをメソ注入という方法で注入すると不思議なことに皮膚が引き締まります。その機序は完全には解明されていないのですが、フェイスラインが引き締まり張りのあるお肌になります。
・ボトックスのメリット
・効果がクリアにわかりやすい
・効き過ぎたり不自然な結果となっても、必ず元に戻るので後遺症の恐れがない
・ボトックスのデメリット
・一度に大量の注入(100単位など)を行ったり、毎月など頻回に注入すると耐性を生じて効きにくい体質になることがある
・ヒアルロン酸注射ってなに?
ヒアルロン酸は皮内や関節内に存在する「保湿・保水成分」です。お肌の細胞と細胞の間にあり、ウォータークッションのような役割をはたしています。しかし、ヒアルロン酸は30代から急に減少し、40代では赤ちゃんに比べて50%まで、60代になると25%まで減少すると言われています。このヒアルロン酸が不足するとお肌のハリが失われた印象になったり、乾燥やシワの原因になります。
・メリット
ヒアルロン酸を注入すると、皮膚の内側から肌を持ち上げてくれるため、シワの溝を埋めたり、凹んでいる部位にボリュームを与えることができます。即効性が高く、ダウンタイムも特にありません。何より当日すぐに手軽に受けられる利便性が魅力です。
・デメリット
ヒアルロン酸は徐々に減少しますので(半年〜1年)、持続性を保つには何度か注入する必要があります。また、医師の技術も大切になってきますので経験豊富で注入センスの良い医師選びも重要です。また、不自然になるため注入できない部位があります。代表的なのは目の下とおでこです。目の下は皮膚が薄いため水っぽい浮腫んだ陰影(チンダル現象)が生じる恐れがあります。また、おでこは凹凸が目立つため希望は多いのですが不自然になりやすい部位になります。
しかし、当院ではご自身の血小板とb-FGFという成長因子を使用する院長オリジナルの「PRPF療法」を提供しております。この方法は凸凹にならない自然で持続性のある結果(4年以上!)が得られる画期的な再生医療ですので、ヒアルロン酸や脂肪注入のメリット・デメリットと比較検討をおすすめしております。(PRPFとヒアルロン酸・脂肪注入との比較記事のリンク)
・ヒアルロン酸が効果的な部位やシワ
・「表情を作ってない時でもできるシワ」(ほうれい線など)
・「たるみの引き上げ」(硬いヒアルロン酸を靱帯の補強に使うことでフェイスラインを整える)
・まとめ
実はよく聞かれる「ボトックスとヒアルロン酸についての違い」を説明してみました。簡単にまとめると、ボトックスは「表情筋によってできるシワ」で、ヒアルロン酸は「表情を作ってない時でもできるシワ」になります。
もちろんご自身のシワにはどの治療法が合っているのか医師の診察でしっかりと見極め、あなたにとって最適な方法を丁寧にご説明させていただきますのでご安心ください。